ぽえむ君−葉隠−
ぽえむ君

ぼくは詩を書きたい

盲目な心になっても
見えるものがある

今日もまた

朝の散歩をしていると
果樹たちに出会いました

いろいろな棚に
葡萄やキューウィたちが
体を巻く

棚の下に潜れば
広く大きな葉が幾重にも重なり
自分が小さくなったのかと
戸惑いを感じる

葉の中に自分を隠す

見上げれば
透きとおる黄緑の葉から
光がやわらかく射し込む

実を結ぶにはまだ早いが
それでも
すべてはその準備のために

よく見れば
これから広がろうとする葉が

よく見れば
これから伸びようとする枝や茎が

空に向かいながら
生の息吹

よく聴けば
葉の上には蝶の羽音が

よく聴けば
枝の上には鳥の鳴声が

葉に潜った自分への
生の息吹

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−葉隠− Copyright ぽえむ君 2006-05-24 12:54:15
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