鏡よっ!
クリ

「鏡よ、鏡よ、鏡さん、そーっと教えて下さいな、私に教えて下さいな」
 「…そなたは、誰じゃ?」
「私はあなたの心酔者」
 「うむ。では世界でもっとも美しい者の名を告げよ」
「クレオパトラでしょうか」
 「クレオ…パトラとな」
「でも、もう死にましたね。毒蛇、自殺ですよ」
 「ふむ。では誰蛇?」
「だじゃれ? 楊貴妃、かな」
 「陽貴婢、とな」
「字が違います。でも彼女も死んだな」
 「自殺か?」
「それはどうでもいいのです。ええっと…」
 「早う言え、最後じゃ」
「最後?」
 「そうじゃ。本命は三番目に出てくるのに決まっておーる」
「話しの組み立て方的にですね」
 「そのとおり。誰じゃ誰じゃ? うふっ」
「それは、あなたです、鏡の精よ」
 「おお! *o*」
「…」
 「おおっ、おぉーっ、*O*」
「もういいですか?」
 「もう、とは何だ! いいですか、とは何だ!」
「分かりましたって。何だかなー」
 「何だとは何だ! 何だよ旦那!」
「怒りながら回文しないで下さい。分かりました」
 「言うてみい、この世でもっとも美しいのは…」
「今言ったばかりですよ。もっとも美しいのは、そのー、#∈§*仝¶ω…、っす」
 「えっ? えっ? えっ? 聞こえないんですけどぉ」
「アナタですよ! 鏡の精さん」
 「嗚呼! @ q,@」
「ああ、美しい美しいああうくつしーったら」
 「どのくらい?」
「ええとお、ゲイ役の、クリス・タッカーくらい」
 「消えてもいいんだぞ」
「冗談ですよ」
 「ホントは?」
「ええとお、ゲイ役の、キアヌ・リーブスくらい」
 「そうそうモノホンのゲイだからなーって、違うだろ!」
「冗談だってば」
 「消えてもいいんだな?」
「美しいです、神取忍くらい」
 「なんでゲイばっかしなんだ!」
「gayと言えばgayだけど…(^o^);」
 「消えよかな〜、ゲイおちょくってるし」
「いや、あの、あゆ、くらい綺麗です」
 「えっ?」
「浜崎あゆみくらい美しいです」
 「…何かなー…」
「不満なんですか、あゆで?」
 「っつーか、キレイなのか、彼女?」
「2001年現在、そういうことになっています、一般的には」
 「まあいい。しかし、トレンドで書いてたら、5年たったら誰もわからんぞ。で?」
「この世でもっとも美しい、鏡の精さん」
 「何じゃ?」
「教えて下さい」
 「たずねてみい」
「私は明日、アルバイトの面接を3つ受けます」
 「この不景気に」
「どの店で採用されますか?」
 「どうして聞くのじゃ?」
「受かるとこだけ行こうかと思って」
 「タワケモノー!!」
「稗っ!粟わっ!」
 「当たって砕けろけろけろけろっぴ!」
「何?」
 「苦労して、一歩一歩、身を粉にして誠心誠意、自分のできることを理解してもらい…」
「せーしんせーい?」
 「そして一所懸命に真摯な態度を見せて採用されてこそ意味のある人生」
「…」
 「楽して無駄骨を避けるようでは、己の成長はない!」
「…いいすか?」
 「何じゃ?」
「んなら、あなたの存在意義もないっすよ」
 「 (-''''-;) 」
「d(・_・)v」
 「―――そうなのよね〜〜〜♪ とか音程つけたり、とか」

                                   Kuri, Kipple : 2001.09.11
こんな日に、こんな不謹慎なこと書いてたので天罰が下りました。アメリカに




散文(批評随筆小説等) 鏡よっ! Copyright クリ 2004-02-17 03:24:42
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