手のひらのくじら
カンチェルスキス





  窓の隙間を
  風が通って
  カーテンがふくらんだ
  手のひらのくじらは
  ホッチキスとして
  毎日暮らす
  風の折り目が変わって
  混じる
  かすかな潮の匂いに
  もう忘れた鳴き声を
  思い出して
  ひと鳴きした
  でも それっきり







自由詩 手のひらのくじら Copyright カンチェルスキス 2004-02-14 21:37:59
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