翼は折れている
ジム・プリマス

翼は折れている
そんなことは最初から
分かっている
飛べないことも
知っている
でも
目の前に広がる闇を
飛び越えたい
目の前の絶望を
乗り越えたい
目の前の壁を
突き抜けたい
その先に
何が待っているのか
どんな世界が
広がっているのか
俺は知らない
でも俺は
壁を叩き続ける
こぶしを血に染めて
骨が砕けても
壁を叩き続ける
ひとかけらの希望に縋って
この身が果てるまで
壁を叩き続ける
この音が世界に轟くまで
この音が世界を振るわせるまで
壁を叩き続ける
俺はここにいる
俺は此処で生きてると
壁を叩き続ける
天上には星が瞬いている
こんな場所でも
生きよう
生きるんだ
まだ生きているんだ
俺は


自由詩 翼は折れている Copyright ジム・プリマス 2006-05-08 15:00:03
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