俺は怪人ランバオウと一騎打ちになった。なぜか野原が舞台だ。
街を襲う軍団を叩き潰し、残るは頭目のランバオウ一人となったのだ。
「ランバオウ、さあ、来い!」
俺はこれから戦わんとする相手に、叫んだ。ランバオウはたじろぐばかりだった。
「く、くそう!」
悔しそうに叫ぶヤツに、俺は必殺の技をかけんと、その名を呼ぶ。
「飛来剣……見参!」
空が急に黒く曇りだし、渦を巻いた。そして稲光が辺りを激しく照らした。
そして、大きな影が降りてきた。
「おお……」
そこに姿をあらわしたのは……。
平井堅だった。
「こんにちは。今日は僕の歌を聴いてください」
そういうと、彼は「瞳をとじて」をあのハスキーな甘い声で歌いだした。
上手いと思った。
俺とランバオウは、思わずおひねりを彼に投げていた。
今日は得したなあ。
初出時より一部改稿