玉を磨きに
あおば

時が止まる
そんなことあり得ない
時とはなんですか

  葬儀の帰りに思い出し
  共同墓地に立ち寄ると
  分からないことだらけの人生に
  漸く終わりを告げた人たちが
  生きている人たちと同じ顔して
  玉を磨きあいながら
  お墓の前で立ち話をしている

お線香の煙に導かれて
あの世に行くのだと
分かったような顔して
説明してくれた叔父さん
丁稚奉公の辛さは
ちっとも教えてくれなかった





作2006/04/22



未詩・独白 玉を磨きに Copyright あおば 2006-04-22 13:46:59
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