胎児 鯖 眼球 深海魚
ななひと

重爆撃機 が 胎児 を 投下する。
絨毯爆撃 される 肉塊 は、
思い思い の 姿勢 で 重力 に 従い
従順 に 自然落下 する。
透き通る 空間 に 散りばめられた 有機物 の 群れ。
その中 を 上昇していく ものが ある。
鯖だ! 無数 の 鯖! 鯖!
胎児 を 突き抜けて 鯖 が 真直線に飛んでいくのだ。
そして交錯する 胎児 と 鯖!
胎児 と 鯖 の 瞬間的コラボレーション。
その 一瞬 の 邂逅 を 捉えようと
眼球 が 群がってくる。
最近の眼球にはビデオ録画が可能な物もあるということなのだ。
しかしそれにしても、すべての状態が良好に調い、一瞬の
シャッターチャンスをものにできるものは少ない。

深海魚がいる。
深海魚 にとって これらはしごく日常的な出来事である。
だから 彼はいつものごとくすべての風景を一口で呑み込んでしまった!


自由詩 胎児 鯖 眼球 深海魚 Copyright ななひと 2006-04-06 01:36:00
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