【 エチュード・プレパラート 】
吹雪

【エチュード・プレパラート】
 
 
僕が僕未満であることを。

 ―地下鉄は…、都市の、どの部分なんだ?
  耳のちぎれたバニーガールだ
  それは血管だよ、僕がじゃあ、赤血球かい、
  いや待ってくれ。
  君の前で、大それられない…

ハハ。

僕が僕未満であるなら。

 ―幽霊は限りなく増殖するけど、
  彼らは部分を重ねることが出来る。
  そう、幽霊密度は…
  100%未満である、よ。
  ねぇ、僕の吐いた息、僕の吐息、
  君は何割吸い込んで、
  汚れてしまう前も、案外、君にふさわしくないよ。
  君は、

君が重たいのが、心地好い。

天罰。

僕が僕に近づこうとする、潮は。

 ―煙草の煙のように、
  君に宿る貴金属は、
  分裂症で、自爆する。
  僕の挨拶が、始まり、終わるように、
  君に眠る岩塩は、
  救世主を反映させる。

 ずずっ
 ず、 ずずっ

 ―君が昨夜覚えた、配列にデコレーションを。
  僕が持つ灯りは、絶対君を透かさない。
  契約だ。
  待ち疲れた。
  風が僕をねぎらいながら、
  つんざく。

僕は一歩一歩を、危険を確認している。よ。

 ―春が来たんだが、花粉症だ。
  キャストを降りた瞬間に、
  君に感謝を送りたい。
  今日までやってこれたんだ
  時空を超えて、
  僕は君を愛してるだろうよ。
  緩和された
  宇宙、
  僕らの最高のランデブー
  水入らずで
  成長しない
  朽ちもしない
  僕ら、お似合いだぜ?
  ほら、彼に訊いてみよう。

兎の耳を、ブレックファストに。
飾らない瞳に
凝縮する球体に、

僕を構築してくれよ。
暗算で出来ちゃうパズルでさ。
手のひらの上で見積もってくれよ。
それが無理なら、身体中で。

憶えていて。
君が好きだよ。
僕が忘れないのは、
君が確かめに来る気がするからだよ。
 
 


自由詩 【 エチュード・プレパラート 】 Copyright 吹雪 2006-03-26 19:07:51
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