ギター
便乗鴎

 ギター

潮風に錆びていても
ギターから夜明け前の余韻が鳴る
サウンド ホールの
その夜のなかから
ぽうぽうと吹き抜けていくならば
一体 どこにいくのか たどりつくの
知りたくて 歩いた
知りたくて追っていった



 あめ

しあわせのうた
口ずさんだら笑えるかな
淋しいうた
くちずさんだら
悲しくなったから
悲しくなって
甘いあめ玉舐めた
甘いあめ玉舐めて
溶けて瞳からながれた



 海

昨日の海
ビー玉みたいな海へ
都会の 船の一端が
垂直に伸びていた
青い海にのびて
抵抗している様子なので
一番先にたち
冷たい風迎え入れた
 それで僕は
風をあつめて
風をあつめて 海から
と呟いていた




自由詩 ギター Copyright 便乗鴎 2006-03-22 14:03:43
notebook Home 戻る