無常
命鈴

何か云いた気な空を雲が覆った。

幾千の種が入り乱れた末、
些少ながら遂には人を喰う世界まで確立される。
?独り?
薄汚れた私は美味しいですか?

きっと廃棄される為
産み落とされた埋め合わせの身
尚且つ生きる理由は不明確で
流されて活きて行くだけの営み
狂った欲に付き合わされた、日々よ。日々よ・・・

もう貴方が
戻らぬ事を悦ばしく想えた瞬き。
貴方を奪えたあの頃なら
終焉(オワリ)さえ恐れず
皮膚さえ或る温度を覚えて居たの

正直、今は寂しい。
?独り?
何の咎めも無い時空に存在し
貴方の大きさを思い出せたの

きっと
取り戻せない物を
誰も何ももう
私に与えてはくれない。


自由詩 無常 Copyright 命鈴 2006-03-18 10:02:26
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