短い夢の痕跡
炭本 樹宏


 ひとやま超えて
 また ひとやま

 一人歩く道のりのなかで
 果てしない道程が
 僕の前に立ちふさがっている

 神経を逆なでする騒音に
 計算高い資本主義の奴隷

 休みたい

 止まることを許されない世界で
 カウントダウンしていく砂時計

 ひとときの安楽は
 自分ひとりの自画自賛

 解けていくコスモス
 分解していく地球文明

 一方通行だらけの都会では
 強いものだけが 笑ってる

 体温を下げていく
 毎日のニュース

 この国に希望を見つけることは
 容易じゃない

 転がり続けてまぁるくなった僕は
 世間ではいてもいなくてもいいツクシンボウ

 夢の中に逃げ込むことで
 なんとか つじつまを合わせてる

 短い夢の痕跡

 刺激のつよいこの世界
 神経がまいるか?
 生き残れるか?



自由詩 短い夢の痕跡 Copyright 炭本 樹宏 2006-03-18 06:16:46
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