かえす
砂木

焚き付けた割り木が
煙と 灰に
分かれていく

土に根を張り 
陽の光を 葉に受け

倒れたら
日陰に 宿るものを 育み

倒されたら
日なたに 凍える者を 暖め

遠い水脈のほとりから
続いている 花の 息吹を

波のように 私の体に
おしみなく 与え続け

憧れたものは マッチで燃やせる
奴隷のように 従順な
語らない体

奪う事は あなたの 慈しみでしかなくて

残された灰
春に 蒔く


自由詩 かえす Copyright 砂木 2006-03-12 07:27:20
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