風穴のデジャヴ 2編
クリ
●風穴のデジャヴ
ジャガ芋の皮を剥いていると
剥いてやっているくせにデコボコなので
俺の虫の居所が悪くなってきた
つけ上がるなよイモのくせして
お前に進化する気持ちがあるのなら
雄々しく真っ直ぐ育つことだな
そしてこれだけは言っておく
耳の穴をかっぽじってよく聞きやがれ
「俺の台所で発芽するな」
まあせいぜい頑張って進化してみることだ
しかしそれも俺の
マグナムが火を噴かなけりゃアの話だが
●続・風穴のデジャヴ
こないだとは別のジャガ芋が
俺の島の台所で発芽しやがった
俺はそのふてぶてしい芽をもぎ取り
まずは口も利けねぇほど撲る
皆さんに遍く愛されているクセに
中途半端に有毒な芽、道はずしたべさ、芋よ
食ってもせいぜいが下痢止まり
しかしなぁ、世間一般はほぼ、ほぼだが
律義にそれを除かなきゃあなんねぇんだ!
低レベルに手間ひま掛かる芋野郎
片ぁ、つけなきゃ、なんないっしょ
「子供ぁ、すっこんでれ!」
そのまま無様なベイクド・ポテトか
二目と見られねえマッシュポテトか
美瑛産だ、死に様は、選ばせてやるべか
札幌生まれのKuri, Kipple : 2000.12.30, 2001.02.11
自由詩
風穴のデジャヴ 2編
Copyright
クリ
2004-02-04 02:49:28