往復書簡
霜天

そこで溶ける人々の道に
石化する人を送り出す空に
いつの間にか帰ってきた人たちの
懐かしい声がただ優しい
私たちはとても弱くなってしまった

工事現場の迂回する
道の分だけ余計に
呼吸をまた消費して
きっといろんなものが届かない
遠くなる、私たちがそれを出来た頃には


昨日とも今日とも呼べない
忘れそうなくらいの余地に
あなたからの知らせが、どこから来たのかを知らない
消え入りそうな雨の日に
そして、だれかが、壊れたのを覚えている
遠くなる、それが出来た頃には
いつも、どんなふうに落としていったんだろう


互いに笑いあう
そんな日もありました、と
いつも季節の表面で、互いに偶然と通り過ぎた気もする
遠くなることが出来る、思い出を循環させるように
何かが終わっていくことを
いつも静かに待っている


自由詩 往復書簡 Copyright 霜天 2006-02-28 16:47:57
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