川辺にて
shu
ゆったりと流れる川辺で
岸壁の色とりどりの地層を眺めながら
時折感慨深げにふむふむとうなづき
岸壁から剥き出た様々な石に
そっと耳をあててそれから
ぽくぽくとトンカチで叩いてみます
何層にも重なり堆積してできた石
いかにも硬そうなごつごつした石
幼子の肌のように滑らかなまあるい石
この石はいつ生まれてどこから来たのか
割れたら一体どんな結晶が出てくるのでしょう
水晶か 翡翠か はたまたアンモナイトの化石か
わくわくしながら叩いているうちに
期待や先入観はどこかに消えてしまって
いつのまにかなんのために叩いているのか
わからなくなります
ただ幼子のように無心にぽくぽくと
ただそれだけが楽しいといった具合に
ぼくはひとのこころもそんなふうに
叩いてみたいとおもうのです
あなたの胸に
ぽくぽく
ぽくぽく
自由詩
川辺にて
Copyright
shu
2006-02-28 02:33:12
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