綴じる、サイレント
みい
ねぇ、そもそも、
からだの中心ってどこに
あるのかしら?
ただ、
丸くなって眠るきみは
ドーナッツのなかま、みたいねぇ
まんなかの空白のふしぎがやがて
きみの中心のような気がして
わたしはやっと
きみを
好きだ、と思う
わたしのなみだの
とてもあてにならないせかいで
昼間見た
あざやかな蟻の黒の連続に
葬列、という名前をひとりでつけて
お前のねこなら死んでたよ、という夢を
しんしんと埋めてゆく
せっくす はいつも
どうして、というきもちでだけおなかがいっぱいになって
それでもほら、はだかでなら
わたしはきみの汗やなみだと一緒に
きみのまんなかにすこしずつ、
とけて
いなくなることができる
そういうわたしは
いつも
ほんとうに急ぐみたいにして服を着ながら
わたしのねこなら死なないよ、と
ドアを閉めた
しん、とした空気って
ほんとうは割れるんじゃないかしら
と
ふと飛び跳ねて蹴り上げたせかいは
壊れたかどうかも
わからないほどのサイレントで、
着地、暗んで
ふと
きみもわたしのまんなかを知っているのかなあ
と思う
わたしは
きみの泣き顔に
だまる
うつくしさが
ただ、
とても好きで