しとねはさらに美しい目をして
フユナ

さあ
南天
この冬にまだ緑を纏わせて
あなたがいることを知ろう
私が知るあなたというのは
この時節まだ凍てついているはずだが



離れても
違う名を与えられることなどなくて
冷え肌につく
紅唇の粒のようなそれとて
その名
で呼ばれることが当然だった
その夜、が
北の高い空としても



繰り返している
それを知っている
かえること
でていくこと
卵から、死地から、北というしとねから
そしてかえる度
紅唇の鎖を繋いでいる
繰り返し繋いでいる
繰り返し振り解いている
幾度も
いくども



さあ
南天
あなたが
緑を纏わせているその姿を
知ろう



決めかねている名詞
春の花とも
冬の花ともつかないものごと
なぜわたしが
冬とは思えぬこの青空の下
あなたを見つめずにいられないのか



そしてそれから
真白い輝肌に向かうとき
そのしとねはさらに
美しい目をして


















未詩・独白 しとねはさらに美しい目をして Copyright フユナ 2006-02-25 21:01:41
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