言葉が僕たちを汚さなくなって
久しい
お悔やみに
少し遅い桜の木の下に
鉛の文字を埋めてみた


泥が手にはね
鉛の文字は
薄荷棒のように冷たい
桜は八重だったと見え
あれよあれ ....
足の指が動くよ
もうこれで
ひとりになった
緑色のマグカップと
それから少しのお金
最後まで残る大事なものは
君がいないあとに
手に入れたものだった


日当たりが
 ....
この硬い道には
菜の花など咲かない
けれど
その種までもないと
ほんとうにここにないと
誰が言えよう


それが
ありきたりに書かれた詩だけのことと
誰が言えよう



 ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート


ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない


わたしたちは
いつか家 ....
十分ほど歩くと海がある

そこに行くまでに魚屋がある

食べられるための魚が置いてある

あなたはきっと

今でも

魚の目を見れず

逸らして自転車を軽やかに(でも重々しく) ....
あなたを思い悲しくなることで
わたしは今日を生きている
なにもないところで躓きそうになる
と紙に書いてみる


東京の前に
あなたの天気を確認する
いっきに何かを啜る
戸惑い ....
オミオツケが欲しい、と
書いて送ってみる
あなたと
繋がりたい 繋がりたくない
そのどちらでもない
灰青の砂に
うずもれていく白いかかと
すがる花がらと
たちのぼる月、銀色


行き
来する鳥が
銀盤に あばたをこしらえ
あちらに巣がある、
と君は僕を振り返らない
 ....
曇天の空に
はりつめる夏気の
清らかなうとましさ
そして
むらさきのむくげ


気付くなという忠告
それが聞こえる胸のうち
そう、もう気付いている
それでも気付くなという忠告
 ....
カズラが花をおとし
森に住む蝶が
深々と死にゆこうとする八月
砂地から
こころないひとが訪れる
こころないひとは
分銅の肩を持っており
踏み入ると
腐葉土からは
ムクゲの細かいし ....
実際に星がまたたいていたのなんか
いつのことなんだかと
君がかたむけるアップルジュース
滴ってくのっぱらに
溶けていくスカート、水色



ライト、オールライト
そう ....
群青を
よりいっそうきわだたせるために
出会うのだろうか


この色が
どれほど得難い青なのか
ただそれを
知るだめに
あなたがあまりにも大きく樹をゆらしたので
花びらが落ちているのだった
色とりどりのかみふぶきに混じって
潔白な白がくるりまっているのだ
地上ではパレード
美しくなった出会いと別れへの ....
冷たさが
この幸いを閉じ込める
すぐに消える雪片に
まじってもつきささる声
それは 
あなたのことよ


鍵を持つ
右の手の指がかじかんで
それでもこれを落とそうとしない
 ....
さあ
南天
この冬にまだ緑を纏わせて
あなたがいることを知ろう
私が知るあなたというのは
この時節まだ凍てついているはずだが



離れても
違う名を与えられることなどなくて
冷 ....
ほんの少し見上げる
空をとは言わない
空ではない
そんな長いこと
ここに蓋をしてるもんじゃない
たしかにそれは澄んではいるが
いずれ波打って
曇り掠れ朽ちていくもの
それを
見上げる ....
ささやかに
くりひろげられる祝宴
ノートブックの
きれはしの中の



外側の
銀世界
にはほど遠い
ところどころに煙った雪



落ちてく
地下茎すらとどかないどこか
 ....
ふと
雲に隠れたオリオンの

それは
燃え尽きたように思われた



濃い
紅茶に落ちた
黒砂糖
それは
溶け尽きたように思われた


あなたが
発していた言 ....
おおきなけだもの
お前に会うのは
もうずいぶん久しぶりだ
お前と会うときは
これで仕舞いだといつも思うが
どうやら出会ってしまったな
どうだ
ひとつ


おおきなけだもの
おれは ....
ここに書き込むのは初めてです、フユナですコンバンハ。
「消えてしまいたい」というこの題名に惹かれた方に読んで欲しくて、
今日の自サイトから日記を転載したものです。
不幸自慢だと思われてしまうかも ....
二匹の鮭が
内蔵を捨てられ
切れ端をからませていた
私の手はまだ薄いが
母の手は血にまみれている


頸骨ははさみでぶち切り
卵と白子は引きずり出した
その度にあがる、歓声
嬉 ....
好きだ、と言うが
わたしはあなたを
わたしはそれを
好きだ、と言うが


好んでは
いない
微笑ましくも
思っていない
出来るならば
近くにも寄ってくれるな
さしあげるものも
 ....
港に来たら、花は散っていた
ノウゼンカズラが
地上に口付けている

おぉんおん、
おぉんおん


遠くではまだ咲いている
向こう岸の工場の灯だ




向こう岸の工場が
 ....
夏の闇は思ったより深いのか
それだけが
ほんの小さな鬼火のように
灯っている




その人は息を吸った
白いランニングの大きな腹がふくれ
コオッ、と
鬼火は点滅、そしてお ....
 わたしたちは小学校のプール跡に住んでいた。
 もちろん家に住んでいた。
 プール跡に、家が建ったのだ。

 
 ともすれば思い出したように、夏にはテーブルの上にサトウくんが立った。水泳大会 ....
ねえ 南十字星ってどれですか
と恋をしていた
空はあんまり星だらけだったので
はたして
その星をあなたが知っていたのか
わたしは知らない
し、
知らなくてよかった



白線を
 ....
いい空を見たいと人がいう時
わるい空は排除されている


いい空が見たいと人が公言するときの
その犬歯に残る血を見るといい
いい空がみたいの大合唱は
たくさんの空を噛みきった ....
何年も
荒れはてていた庭に
野菜の苗が植えられ
植木鉢の
マリーゴールドが置かれた


母と父が水をまいて
コンクリのように
馬車道のように押し固まった土を
いくぶんか、柔らかくさ ....
http://park15.wakwak.com/~o0o0o0o0/bokumetsu/

こんにちわを撲滅する委員会。
趣旨に賛同というよりは、下の方のうだうだっぷりが楽しい。です。
Tくんと喧嘩した日の夜
お風呂に入ってやるちくしょうっ
とパンツの引き出しを開けたら
白雪姫みたいに横になって
女神さまが入ってらっしゃった


女神さまはあたしの腰くらいの引き ....
フユナ(146)
タイトル カテゴリ Point 日付
鉛の花自由詩11*07/5/7 21:10
ラブソング未詩・独白307/3/8 18:56
菜の花など咲かない未詩・独白507/2/4 14:06
春彼岸自由詩18*07/1/28 17:28
花は摘むもの自由詩807/1/14 17:15
小さく揺れる未詩・独白606/11/19 18:14
恋情未詩・独白306/10/14 22:00
帰葬未詩・独白506/10/14 21:57
晩夏[group]未詩・独白506/9/8 20:56
森の祭未詩・独白706/8/29 19:49
夜はまた来る未詩・独白406/6/18 2:20
ユアマイ携帯写真+ ...006/5/28 15:54
パレード自由詩22*06/5/6 22:59
あなたのことよ未詩・独白706/2/26 22:41
しとねはさらに美しい目をして未詩・独白7*06/2/25 21:01
見上げる未詩・独白405/12/31 2:17
落ちてく自由詩505/12/11 2:44
燃え尽きたように思われた未詩・独白305/12/1 2:59
みちゆき未詩・独白205/11/5 2:43
消えてしまいたい。散文(批評 ...1405/10/25 2:14
「儀式」によせて自由詩13*05/10/23 2:07
灰の花未詩・独白105/10/1 1:51
アイラブ未詩・独白10*05/9/2 2:53
煙草の火未詩・独白205/8/23 23:08
プール跡未詩・独白6*05/8/5 2:06
夏の影未詩・独白11*05/7/29 1:26
いい空を見たい未詩・独白4*05/7/21 0:33
初夏の庭未詩・独白8*05/6/24 0:12
こんにちわ撲滅おすすめリ ...405/6/20 3:26
引き出しの女神さま未詩・独白4*05/6/5 3:17

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