コンビニバイトと食堂ウエイトレス。
クローバー

コンビニで漫画を買うことは
つまりは
すでに誰かに使われたコインを廻すことと同じではなく
テーブルが拭かれることの無い食堂と同じである

コンビニでバイトをしている僕と
テーブルを拭くことができないウエイトレスとは同じではなく
すでに誰かに使われたコインを廻すために
働いていることについてのみ同じだ

自分の裸体を売る少女と
自分の裸体を理解しない少年は似たようなものだ
留まることを教わることのない幼き心と
留めかたをしらない幼い欲望とは似たようなものだ

コンビニでアダルト雑誌を立ち読みする少年の手と
コンビニで化粧品を買う少女の手は、だから、どこか似ている

限りなく目に見えにくい夜の星を数えるように
食堂で夕食を頬張りながら、手元のコインを数える
このコインの幾つかがウエイトレスに廻って
バイト先で弁当を買いに来るウエイトレスから
また受け取れたらいい

可愛いなどと思うことはウエイトレスには無いのだろうが
コンビニのバイトは、ウエイトレスと同じではない

買うことは無いが売ることも無い
行ったり来たりしているが
そのことをウエイトレスは知らない
財布から取り出されるコインを眺めて
おつりを計算する僕がいるだけだ。



未詩・独白 コンビニバイトと食堂ウエイトレス。 Copyright クローバー 2004-02-02 22:25:18
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