久しぶりに真夜中一人で呟いてみる
腰抜け若鶏

自分とは一体どんな存在なんだろう?

最近、痛切にそれを感じている。
自分がどういう人間で、どういう存在なのか十分に分かっていたつもりだった。
けれども今はそれがよく分からない。

どうやら自分が自分をこういう奴だと思っているように他人は見てくれてはいない。
幸い、自分が思っているより悪くではなく、好くなのだが。
それにしたってよく分からない。

最近自分の値打ちとかランクとかレベルとか、そういうのを考える。
一体何を基準にすればいいのかよく分からないので答えはいつまでも出ないのだが。
向上心は一応あるのだ。でも一体何を目指せばいいのか分からない。

高校生の時はインテリになりたかった。
小難しい本を読んでクラシックを聴いて理屈っぽい話をして盛り上がる。
けれどもいつからかそれが虚しいと思い始めた。

浪人時代中は社会的成功が欲しかった。
富と名声、誰もが羨む地位。今まで自分を馬鹿にしてきた奴らを見返してやる。
けれども人生に一度のチャンスを棒に振った。だからもう一切求めない事にした。

大学に入って女の子にモテたかった。
目を合わせただけで女の子は自分に恋に落ちて夢中になってしまう。
けれどもそんな人間関係は疲れるだけだと気が付いた。

最近はお父さんになりたいと思った。
奥さんと一緒になって子供を育てる。自分の持てる愛をすべて注ぐ。
けれども自分にはそんな資格がないと知っている。

僕は時々虚しさに苛まれる。
何を手に入れても指の間からすり抜けて消えていく。
少なくとも今はそうだ。
だから前にあるいは上に進んでみたいと思ってみたりする。

こんな自分の生きてる意味って?
タチの悪い質問だ。
生きている限りこの虚しさは絶対に消えない。
うるさい、だまれ。

「真理」と名付けた死に行く年寄りの理屈なんて知らなきゃよかった。
でも、知らなきゃ周りに流されるだけ流されて人生の墓場で一生を送っていただろう。

また恋でもすりゃ虚しさは消えるか?
体を重ねれば生きてる意味なんて考えなくても済むか?
責任とか後処理とかそういうのなければなぁ。

できるならこの今いる世界で覚めることのない夢を見たいんだ。
頭に体に心、その全部が夢中になれる確かなもので
生きてる時間全部を常に満たされていたいんだ。

完全な理想主義者だね。
今よりもっともっと友達とやることを増やして、
そんなこと考える暇もないほど忙しくなればいいんだよ。
そうすりゃ虚しさも消える。生きる意味なんて必要なくなる。
友達が少なくてやることもないから、だからいけないんだよ。

虚しさを感じる暇もない、生きる意味なんて考える必要もない、
そんな人生って嘘っぽくない?

少なくとも本人は充実した生活を送れるよ。

「真理」と名付けた死に行く老人の理屈なんて求めるんじゃなかった。
でも、これがなければ僕は今頃家に引き篭もってアニメとゲーム三昧だったろう。

「浮き沈みあるから人生っておもしろいだろう?」

こんな僕だからいつもユーモアが必要なんだ。
今すぐ投げ捨てたい人生の新しい見方。楽しい解釈。
やっぱり明日も詩を書こう。


未詩・独白 久しぶりに真夜中一人で呟いてみる Copyright 腰抜け若鶏 2006-02-17 23:42:52
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