静かに冬を過ごそう
炭本 樹宏

 こころを鎮めて
 水面を見つめる
 郊外の空気は澄んでいて
 水面には青空が映っている

 何も考えないなんて無理だ
 時計に支配された世界の住人
 この束縛から逃れたく思う

 やがて
 時は流れて命の炎も落ちつくだろう
 穏やかな日々は僕を迎えてくれるだろう
 なんて
 空想したりする

 潤滑油が切れて
 かかりの悪いエンジンのように
 この頃は頭が悲鳴をあげてやがる
 囚われた者たちの悪臭が
 僕をせめているのだから

 せめて
 妄想に浸り
 天界の様子をうかがい知りたい
  
 なぜだろう
 ここにいると心がなごむ
 冬は暖かい番茶とこたつがあれば
 言うことはない




自由詩 静かに冬を過ごそう Copyright 炭本 樹宏 2006-02-14 15:00:53
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