ある真夜中のポエジー(第二稿) 
服部 剛

オリオン座が西の空に瞬く午前三時

部屋の中で独りの男が
机を照らすランプの明かりの下
白紙にペンを走らせる音 

時を忘れ
宛先の無い手紙をつづる深夜に
眠れる街の何処かから聞こえて来る列車の音


   ガタン ゴトン

      ガタン ゴトン

        ガタン ゴトン ・・・・・ 


暗幕の闇を抜けて部屋に届く列車の音

時計が秒針を刻む音

男の胸の内で静かに波打つ鼓動の音

手にしたペンを走らせる音と共に
白紙の上に敷かれゆく言葉の枕木 

ありふれた一日の重荷を降ろすように
人々が懐かしい夢を見ている頃
眠れる世界の何処かで今夜も
目的地へと荷物を運ぶ貨物列車は走り続ける 


   ガタン ゴトン

      ガタン ゴトン

        ガタン ゴトン ・・・・・ 


真夜中の部屋で
独りの男が手にしたペンは
白紙の上を走り続ける

宛先の無い手紙が
見知らぬ誰かに届く日を夢見て 


        3
       2 ・ 4
     1  ・  5
   12・・・・・・・6
    11  ・  7
      10・ 8
        9 


時間という一つの宇宙の中を走る列車はやがて
長い闇のトンネルを走り抜け
無数の星の散りばめられた宇宙空間に浮かび
ほの白く光る銀河の線路の上を
再びゆっくりと走り始める

( 車窓には過ぎ去った遠い日々に
( 夢の地上で生きていた独りの詩人
( 懐かしい青い地球ほしをじっと見つめている 

真夜中
手にしていたペンを紙の上に落として
机の上に眠る
男が見る夢の深淵から
列車の走る音が聞こえる 

それは 
今夜も宇宙空間に
ほの白い光で浮かぶ線路の流れのままに
未知なる終着駅へと走り続ける
銀河鉄道の音 



    ガタン ゴトン

      ガタン ゴトン

        ガタン ゴトン ・・・・・ 

























































































自由詩 ある真夜中のポエジー(第二稿)  Copyright 服部 剛 2006-02-12 02:56:49
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