明後日
たもつ



一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
食べられた後はどうなるのだろう
牛にもそれはわからなかった
背中に伝わる牛の力は
すでに夕日に似ていた
気をつけて
牛さんも気をつけて
誰にもわからない明後日のことを考えながら
酷いことを言ってしまったと
泣きながら帰った





自由詩 明後日 Copyright たもつ 2006-02-06 08:32:21
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