さようならと共に

やわらかな
風が吹いている
丘の上の

さようなら

たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と

苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと

さようなら



そうして
ゆっくりと
きれいになっていく
あの頃とあの場所

小さな瞳は
汚いものを写さない
なんてことはなかったのに

小さな頭に
不可解を抱えて
泣きながら過ごしていたのに



いつだって そう

断片的な記憶に
別れを告げて
新たな風景の上に 
立って 立ち尽くて
いる


きっと
ここにもすぐ
手を振るときが来るだろう

そして
ここもまた
きれいになっていく


繰り返す
断片の中で
僕は
いつだって
立って 立って 立って 
いる



耐えることはもういい
後付の 良かった
もいらない


繰り返す
新たな風景の上を
いつか 歩きたいと思う

たくさんの さようならと共に


自由詩 さようならと共に Copyright  2006-02-05 00:38:22
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