elephant
本木はじめ
太陽は誰が奪った洪水のようにまばゆい詩歌たちいづこ?
ゆうえんち、どうぶつえんにすいぞくかんみんなほろびてしまえきみとか
ぼくはもう崩れてしまう塔の上きみの手首を紫にして
雷雪はわたしの悲恋胸元に生い茂りゆく未遂の蕾
目隠しをしたまま朝を迎えようきみが歌えばとこしえに冬
デストピア徘徊している少年と少女の知らない世界だここは
大空の根元は黒く澄んでいてもう追いつけない星の記憶は
繭を描くきみのとなりに映り込む知らない鳥の墜落を見た
passionに沈むがいいさおぼろげに大樹の幹に抱きついた冬
かんむりを被ればどこかの草原にあなたのまぶたのような花びら
珈琲を飲むゆめ見ればとこしえに僕ら目覚めぬ肉体の春
ぼくはただ数字で6と書くだろう許されていること忘れぬ為に
大気、大気、、あなたはどこかにいるだろう 『周囲』そこからはじまる『意識』
疎外感かんじるゆめの残り火のほのかに消える朝のひととき
対岸の火事が絵画のように映えぼくも描かれたくてクロール
殺伐としているきみの目の中の荒野を歩く牛の前足
酔いどれてふたたび眠る前の嗚呼、焦げ茶ブラック色の八秒
保存液とわにこぼれるごとくこの世界に不変のもののなきこと
もう何も見えなくなるね美しい妊婦の群れに取り囲まれて
liquid、liquidあらゆる配色をこころみるがきみの黒髪に劣る
あからさまに翼をひろげおおぞらへ飛び立つ鳥のひとみの後ろ
レンズ、レンズかがみに映った幾つものあなたの影で消える全体
明日からあなたはわたし遠ざかるあなたに早くさよなら言って
その樽にはみそと書かれているから僕は革命しなければならない嘘
燃える傘が何をたとえているのかを問えば突然降ってくる雨
みづうみのほとりの古城にひとりをり成すべきことはとわに無きまま