風花
霜天

明日の燻る原の声には
そのひとひらも、渡らない
青の部屋、青の床
踏み越えるたびに見据えるものは
舞う、散るよりも儚い覚め際へ
連れて行くように
恋し、と
だけ

そこからを渡る
並ぶ舟に落ちていく足音は
揃えられた言葉よりも
その向こう、不揃いな高さばかりを気にして
いつまでも響かない
ここで明日を語るにも
深呼吸が必要で


かざはな、遠くよりも
捕まえたくなるひとひらを
いつかは見ていた、気がする
青の部屋、青の床
ひとひら、ここへ来るまでに
何を見てきたの、か


明日が明日になるほどに
渡る寸前の逡巡を
自分の中のもうひとつに
押し返されてばかりいるようで

今日を今日と慰めるにも
深呼吸が必要、で


自由詩 風花 Copyright 霜天 2006-01-29 01:26:41
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