帰路
便乗鴎

ハピネスという薬が売られている
誰もが 誰もこんなもの買わないだろうな と想っていた
そう口にしていた
だけどあなたの袖についてるものはなんだ 
あなたのポケットから 零れているものはなんだ 
おい なんだよ って
問い詰めようと僕は向かい
だけどもう駅前に
誰の姿もない 
ただ電燈の灯りがみていた


長い舗道を帰っていった
電話を持っているけど
誰にも知らせたくない 知られたくない


家に着いたらなんて答えよう 
なんて言い訳しよう
今日 僕はひとりきりで 何処にも行けなかったってことを
腕時計は止まっているのに




自由詩 帰路 Copyright 便乗鴎 2006-01-28 18:59:45
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