カラー
久野本 暁

人間誰しも
終わる時は真っ黒なのだ
夏の夜の蝉の声
路地裏の囚人

純白を保ち続けていると思っているあの女

給湯室の奥の茶渋
洗面所の縁の隙間


白い雪が降っている
などとのたまう視覚障害者

世界に白が無い
蒸発し再固化したあの空の色が教える事

金色朱色群青緑

人間誰しも
終わる時は真っ黒なのだ
十二色のクレヨン
自分に当てはめる事をしない鴉の話


自由詩 カラー Copyright 久野本 暁 2006-01-25 22:00:53
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
重色