ライラ/夜という名の蕾たち
ふるる

銀色の髪

明るい瞳は緑

ささやく指先は桃色

つま先はあるの?

ライラ

君はしかめっ面で花という花をみんな摘んでしまい
眩しい朝が広がるに任せる

深い深い森で
夜のいっぱい入った壷をゆっくりと揺すると
ふとった魚が尾びれをひらめかせ
君を誘うんだ

液体を
手ですくっては地面に注ぎ
吸い込まれていく先を眺める君

注がれた地中では

朝起き損ねた種子が一滴一滴を抱きとめ
夜風の匂いを想う

やがてもったいぶった昼が終わり
夕凪がそそくさと通り過ぎ
鷹揚な夕日が最後の灯りで木々の裸を暖め終わると

夜という蕾たちがむっくりと起き上がり

ごらんよライラ 美しい娘

君のために

蕾は一斉に花開き

何千何万という星々を
暗い暗い夜空に打ち上げる

銀の髪にそれらを飾ったらいい

髪は一層きらめくだろうから・・・・





題名は、「題名だけのスレッド」より頂きました。






自由詩 ライラ/夜という名の蕾たち Copyright ふるる 2006-01-24 14:37:52
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****印象詩っぽい*****