懐かしい場所へ
海月

懐かしい場所を夢で見た
大切な時間を過ごしたあの場所
今の形は知らないけど
時々戻りたいんだ

君に初めて会ったのもそう言えば
何時までも居られると
甘い幻想を見ていたのかも知れない

君は僕に告げた
この場所を離れることを

僕は君に「行かないで」って呟いて
君は僕に「待っていて」と返した

君が居ない場所で一人で居ても
暇つぶしのような冬の寒空のような
尽きることのない
感情が僕を襲う

僕は君との約束を
守れそうにないんだ
僕は其処まで強くないんだ

「この場所を後にします」って君に告げずに
僕はこの場所を去ります

今の形を知らないけど
時々戻りたいんだ
ひょっとすると君がいる
そんな気がするから


自由詩 懐かしい場所へ Copyright 海月 2006-01-19 23:21:54
notebook Home 戻る