血 闘 
maumi

第一章 〜白刃一閃〜

白く見えるそれは刀
閃くそれは太刀筋

息をも殺す間合い
覚悟の笹葉の揺れ

ぶれる波紋
太刀の音に混ざる鈍き音

何も知らない虫は笹に乗り

水に映る月は
倒れる者の墓標にて候





第二章 〜暗 半月を殺〜

闇に浮かぶ半月と半月
影が月を割る

その影が鍛えられし刀と判るまで
一時かかった

潮騒の音静かに包み
とんぼの構え
ピクリとも動かず


対峙


月を見て突き
中段から三連
残像と閃光の交差
因縁と怨念の交錯

生き延びた二人の頭上に月


対峙


裸足のすり足
砂に残る蛇行
間合いは近くなり
親指ほどの距離で死線を越えた


初断ち


生き残る一人の頭上に

残月


自由詩 血 闘  Copyright maumi 2006-01-19 19:27:52
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