しばらく詩をかくのを忘れていた
よねたみつひろ
しばらく詩をかくのを忘れていた
それはいいことだ
そしてまた
過ぎ去ったいくつかの言葉が
べつの形でめぐってくる
ぼくはそれを「風のようだ」と言う
すると本当に風が吹いてきて
洗面台の鏡の内部や
洋服箪笥の裏側の広場を
ひとしきり掃き清める
自由詩
しばらく詩をかくのを忘れていた
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よねたみつひろ
2004-01-26 00:19:15