夜空
AKiHiCo
部屋が月の灯りで満ち溢れる夜でした
寝台に潜りながら
四角い空を眺めていたのです
星達が何かそわそわしていました
月が沈むのを拒んで
時計台の針を止めようとしているのだと
僕にそっと教えてくれました
虹は何色の橋を空に架けるのか
雲はどこへ流れるのか
星達が話し合っています
眠れない夜はこうして
そっと耳を澄ますのです
屋根の上で風に靡く天使が
見上げて微笑んでいます
空気に溶けそうな程に透明でした
こちらを一瞥すると
天使は月に吸い込まれるように
羽根を拡げてどこかへ消えてしまいました
星達の会話に耳を欹てる月は寡黙です
延々と地上に蒼い灯りを点したまま
夜明けを待つでもなく優しく照らしています
この部屋は月灯りで青く煌いています
月が零した破片が散らばっているのです
星達は会話をやめません
朝が来て姿が消えるまで喋るつもりでしょう
僕はその囁きを聞きながら
眠りの世界へと堕ちてゆきそうです
自由詩
夜空
Copyright
AKiHiCo
2006-01-18 18:47:00
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