Shower,After,Red,Lie
あまくちペルノ


すこしだけ 下腹の痛みを抱えて

服を脱ぎ

showerroomに 足を踏み入れる

じゃあじゃあと 降り注ぐ
人工の温かい雨

柔らかい 布を纏って
フローリングの大地に降りたなら

黒と茶の混じる痛み切った髪の毛から
その先から 既にもう冷えた滴


ぼたぼたぽたぽた 

ちょっと、
泣かないでわたしの髪の毛

からだは温まり切らない
喉が渇くんだ
冷蔵庫の中で居残り
あの人と開けた白ワイン


どぼどぼとぼとぼ

ガラスコップにプラスグレナデンシロップ
血のいろ嘘の赤ワイン

あなたについた嘘は もう何度目だろう

パソコンデスクの病気みたいな白いひかりに
照らされて鏡に映る顔


化粧気なんてなくて
うつくしくもなんともない肌
それなのに嘘の赤がからだに染み込んで
白と混じって 桜のいろになる

血を吸っていきる桜いろ

弛んだ気持ち 揺れる伸び切った前髪と
充血して潤むルビーのひとみ


ぷかぷかふかふか

白くぼんやりとうかぶ

嘘だらけの部屋

今日だけちょっとだけ
酔いの宵越し 宵っ張り

くちびるの裏にだけ真実を隠して

あなたには
今夜 誘惑という嘘をつこうか


自由詩 Shower,After,Red,Lie Copyright あまくちペルノ 2006-01-16 18:53:40
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