エゴイスト
亜麻仁蛇

周りの空気の苦々しさに
匿う様に顔を埋めた
(一時的な逃避だと謂われなくても解っているが)

それでも手首の甘い香りに
暫く我を取り戻す
(その甘さが香水からなのか血液に由来するのか分からないが)


スイス製と云うブルーベリーの飴は
アントシアニンとアオイロ1ゴウで
硫酸銅の如く私の舌を染めるのです


過食は肥るより先に持病を再発するのだと知った
トチ狂った白血球が大腸粘膜を攻撃するらしく
お腹の左側がやけに気持ち悪い

自傷癖は細胞レベルで始まっているのかと思い
自嘲しながらポーチから剃刀を取り出し
そして左手首の赫い条を見た


自由詩 エゴイスト Copyright 亜麻仁蛇 2006-01-15 15:22:35
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