修羅場
本木はじめ


無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬


戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る


ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?


自意識で歌を語ればうたかたの闇夜にぼくの立像は消ゆ


赤色の絵の具足りなくなるほどに描いた火事の絵画も燃える


断ち切ればいずれ枯れゆくだらふ木々どこかに人魚がいたってほんと?


トラックの荷台に乗って恋人はドラマみたいに蒼ざめている


もう一度黒い時間をはばたいて飽きたらふたたび戻っておいで


きみの思い描いた修羅場いまここでひろげてみよう 白い二月へ





短歌 修羅場 Copyright 本木はじめ 2006-01-15 03:07:17
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