帰り道
便乗鴎

あなたは月へと囁きかける
破裂した心臓を正常にする必要にかられ
涙は流れない
言葉は続かない
希望はいつでも見つけることができない


きみの住んでいる澄んだ川の水に
僕の呼吸法があわない
どういうタイミングで
どういう調子にすればいいのか知れない
眼差しは切りとられ
夜風が押しやる 壁のむこうまで

帰ろう

トタン屋根の烏に投げつけた石が
僕の苛波たつ、ちいさな海へホール・イン・ワンする



自由詩 帰り道 Copyright 便乗鴎 2006-01-14 21:18:55
notebook Home 戻る