やっぱり日本はオタクの国
和泉 誠

これからは眼鏡をかけたアイドルが流行る
朝起きたらそうテレビで特集していた

21世紀になって日本で最初に
眼鏡をかけた女の子をかわいいと思ったのは
いわゆるアキバ系のオタク達だ

恋のマイヤヒを最初に発掘したのも
2ちゃんねるに通い詰めているオタク達だ
世界中の男達を魅了するモーニング娘を
ここまで大きくしたのもやっぱりオタク達だ

オタク達は人目を省みない
もう人にどう見られようが関係ない
彼らはそう思っている

だから自分の本能や感性に
どこまでも忠実だ

ところで心理学によると人の心は
エスと自我と超自我という3つの機能によって
構成されていると言う

エスは先天的に持って生まれた動物的本能
超自我は後天的に与えられる社会的規律
そして
自我は社会的規律に違反しないように
本能の欲求を満たすために生まれた
いわゆる「私」と考えられるもの

どんなにすかした人間でもエスを持っている
どんなに偉大な詩人でもエスを持っている
エスを持っていない人間は
明日を生きようとは思わないのだから

ただその人は自我がずいぶんと賢いだけだ
周りはみんなそれにまんまと騙されてるだけ
けれどもそれが悪い事とは誰も、私も、本人さえ思わない

話を戻そう

オタク達はエスのみで生きることができる
それはある意味素晴らしい事なのかもしれない
結局人はエスを満たしたくてしかたがない
けれども超自我が怖くて
あれこれ気を使いながら生きなければいけないのだから

だからと言ってオタクが偉大だとは思わない
社会的に見てやはり軽蔑されるべき人種だと思う
けれども彼らは時代を動かす
人々の心の底から求めている欲求を満たすもの
それをどこまでも追求する事ができるのだから


散文(批評随筆小説等) やっぱり日本はオタクの国 Copyright 和泉 誠 2006-01-14 08:51:04
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