Hide-and-Seek
塔野夏子

そうです
世界から隠れて
潜って居られる場所が要るのです

まじりけない初期衝動とだけ
ひたすらに戯れて居られる
そんなパラダイスを
とめどなく夢見てしまいます

子どもじみているのです
大人のふりは一応 たしなんでいますけれど

センティメントやメランコリイなら
あり余る程持ち合わせています
近頃は それに
ノスタルジアらしきものさえ
うち混じりはじめました

たとえば
明るい冬の日の午後の室内
何処かに
ひどく優しい何かの 気配を感じるのです

呼ばれているようなのです
おわかりになりますか
今 どちらに居らっしゃいますか
その場所の居心地はいかがですか

そうです
世界から隠れて
息づいて居られる場所が要るのです

とりあえず今夜は
ベッドで詩を書いて居ます





個人サイト「Tower117」掲載






自由詩 Hide-and-Seek Copyright 塔野夏子 2006-01-13 22:48:44
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