夜明け
かや
目をそらさないでください
鼓動が波つくる海の底から
危うい腰を掬い上げて
一つの生きものになりましょう
吐息の泡を追って見上げる
金色の空はもう蔑まない
聞き漏らさないでください
舌をなぞって芽吹く緑が
水面でひとつの花となり
眠りについてしまえば
二度とは目覚めないだろう夜は
絶ち消えたことを知る
立ったのは確かに
お前の足だと
ぽつんと浮かんだ豆電球が
語り掛ける頃
ああ あと一時間で
太陽は慈愛を待つ
人々を燦々と照らすのだろう
決して止めないでください
ちいさなちいさな
その命