深海魚
umineko

水圧に耐え得るように
甲殻を得て

暗闇を
当たり前と思えるように
その目を 潰した

正しいと思えることを
ここは深海
届かない砂の底

尾びれを
左右にゆっくりと
振る

かなしいとか
言い争いは
しあわせ者の
すること

あなたがきらきらと
水面を跳ねるさま

ここから
見えるはずもなく

見上げた角度は
空か


それさえ
忘れた
 
 
 


自由詩 深海魚 Copyright umineko 2006-01-05 08:02:18
notebook Home 戻る