もう一度、あなたの歌を聞かせてよ
和泉 誠

僕が馬鹿だったんだ
全部僕が悪いんだ

その証拠にこんなになるまで後悔してる
無理して一晩中起きて
あなたの歌うのをただ待ってる

あなたがいなきゃ
僕は一体誰のために歌えばいい?
あなたがいなきゃ
僕は一体誰の歌を手本にすればいい?

一人で歌ったって馬鹿みたいだろ?
憧れの人がいなきゃ生きている意味ないだろ?

そう
僕が馬鹿だったんだよ
全部僕が悪いんだよ

あなたがいない自分を遠くから見た時
これは違うなって思ったんだ
これは明らかな間違いだって

それを確認してみたかっただけなんだ
あなたに無理矢理歌わされてるんじゃなくて
僕が自分で歌いたいから歌ってるんだって

ちょっとだけ悔しかったんだ
全部あなたの思い通りになってる気がして
だからちょっとだけ邪魔したかったんだ

もう歌ってくれないなんて嫌だ
絶対に嫌だ
そんなの僕は絶対に認めない

もうこんな馬鹿な真似しません
好きじゃないだとか
満たされないだとか言いません

あなたの歌を聞いて
それをノートにしまうのが
大事な日課なんです

僕はそれがすごく楽しみなんです
すごくうれしくなるから
毎日素敵な宝物が増えていくみたいで

あなたが歌ってくれなきゃ
目の前の世界全部が幻みたいに消えちゃうんだよ
それは怖い、本当に怖いんだよ

あなたにちょっとでも逆らおうとしたのが
そもそもの間違いだったと知りました
僕は何をしてもあなたには勝てないんです

完全にあなたの手の上で踊っているんです
僕の持ってる力なんて
あなたの力の前ではまるっきり無力です

負けを認めます
あなたの都合に合わせて
どんなに酷い事されても諦めます

だから、
だからもう一度
あなたの歌を聞かせてよ


未詩・独白 もう一度、あなたの歌を聞かせてよ Copyright 和泉 誠 2006-01-05 00:23:57
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