本当に、私のこと好きですか?
Lily of the valley

『私のこと、どう思ってるの?』
たった一度だけ、聞いてみたことがあった。
聞きたくはなかったけど、聞かないと不安で、涙が止まってくれなかったから。。。
知り合ってから一年間、聞きたくても、気付かない振りをしてきた。
聞かないまま、苦しいのは嫌だったけど、聞いて、独りになってしまうのも嫌だったから。。。

真っ暗な、独りっきりのクリスマスの夜になった電話が、決意させてくれた。
今まで、付き合うことに、言葉の定義なんかいらないって思ってた。
言葉なんかなくったって、分かり合えるものなんだと、そう思っていた。
なのに今は、言葉がないだけで、どうしようもない不安に駆られる。
だからあの日、聞いてみたくなった。
小さなベッドの上で二人、腕枕をしてくれるあの人にしがみつきながら、泣きそうになるのを、必死にこらえて、言葉を探した。
言いたくて、聞きたくて、どうしようもなかったのに、言葉が出てこなかった。
体が震えて、聞こうとする度に、涙が溢れてきた。
それでも、必死に言葉を搾り出して、問いかけてみた。

『本当に私のことが好き?』って。。。

不安だった、この言葉を聞くことが。。。
返ってくるかも知れない返事を予想するのが。。。
それでも、一ヶ月ぶりに会っても、部屋の中で体を重ね合うだけの関係が、なんだかとっても寂しいもののように思えたから。。。
段々と、話してくれる言葉の数が少なくなっていることに、気づいてしまったから。。。
だからもう、聞くしかないんだと、そのときはそう思った。

言った瞬間、涙が止まらなくて、顔を上げることもできなくて、ただただ、しがみついて、泣いているのを隠すので精一杯だった。。。
そんな私を、優しく抱きしめて、なだめて言ってくれた。

『すごく頼りにしてるとこあるんだよ?』って。。。
『支えになってるよ』って。。。

でも、決して『好きだよ』とは言ってくれなかった。。。
それが、とても悲しかった。
欲しかった言葉だけは、決してくれなかった。
それが、とても苦しかった。

『心が通じ合ってる』
なんて、そんな簡単じゃないって分かってる。
男が欲しいと思う言葉を、女は分からないし、女が欲しいと思う言葉は、男には分からない。
だから、当たり前なのかもしれない。
けど、『愛してもらえない』って考えるのはすごく嫌で、でも考えてしまうわけで。。。
悩んで、答えが出なくて、また悩む。

人の心は難しい。
それを教わって、一つ賢くなったような気もするけど、そんなの嫌だって思う。
心がもらえないなら、体なんかいらない。

この文章が、その人に見られることなんて決してないんだろうけど、あえて聞きたい。
もう一度だけ。。。

本当に、私のこと好きですか?



散文(批評随筆小説等) 本当に、私のこと好きですか? Copyright Lily of the valley 2005-12-27 14:29:26縦
notebook Home 戻る  過去 未来