電流スパイラル
虹波

君の姿形からは
到底想像もつかないくらいの
その震え
その怯え
その悶え

僕には見える
どんなに君が
無謀な笑みを返そうとも

君の中を
研ぎ澄まされた感覚的な電流が走る
僕の苛立ちと葛藤を
瞬時に受け入れる
感情のピアノ線が
体内を震撼させて
情熱と焦燥のクォークが
手足の先までスパイラルする
それはもう
完全に
眼にも止まらないスピードで

君は笑ってる
ほとばしる思いを押し殺しながら

冷静な君の裸身を満たす
火傷しそうな電子の海

君の愛に一人感電死する





自由詩 電流スパイラル Copyright 虹波 2004-01-21 01:05:17
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