鳥と鏡
木立 悟





糸のほつれた万華鏡が
壊れかけながら空へ昇り
鳥に追われる鳥を隠した


ふるえつづけるふたつのものが
失いながら抱きあいながら
空を光にもどしてゆく


青と金は互いを呼び
名と声だけが
水になった


光はそそぎ
ふるえは伝い
空は小さくふたたびはじまる


透明の前を透明がすぎ
ゆらぐものもなくすべてはゆらぎ
証を散らして去ってゆく


空を見る目は野に浮かび
鳥と鏡を映したままの
万の華のまばたきをする










自由詩 鳥と鏡 Copyright 木立 悟 2005-12-23 21:52:43
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