冬空と羽根
和泉 輪

私の前に渇いた冬が横たわり
私は枯れた花に叱られていた
道には鳥が落とした羽根があり
私はそれを拾って空へ投げる


冬空は何か物悲しいと言い
私は何が物悲しいかと訊く
ただ確信をもって言えることのみ
厳冬を越すためには必要なのだと


誰彼かまわず呟きながら私は
冬空の青を自らの血液で汚す
そうしてようやく私は季節へ
参加することが許される私へ


いつか枯れた花は黙ってしまい
舞わずに羽根は堕ちてしまった
私はもう一度それを拾い今度は
あの鳥達へ返しに行こうと思います


自由詩 冬空と羽根 Copyright 和泉 輪 2004-01-20 22:01:15
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