傭兵時代 Ⅰ
比呂正紀

人生を白か黒かで割り切つた十九の肩に散る花はなし

旅立ちに泣く人もなく大空を舞う飛行機を見つめおりたり

太陽に向かひて飛行する期待 半周を経てコスタリカに立つ

冗談のやうに支給のグロックとMP−5の持つ死の質量

お前らの命の値段は弐万ドル小切手一枚ペラと渡さる

戦場で何かを失うのではなく失いし者のみ集う戦場



短歌 傭兵時代 Ⅰ Copyright 比呂正紀 2005-12-23 09:11:07
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