顔の調べ
こしごえ

鏡に映す)顔が白く仄めく
朝日の刻々と刻む音に
変容する影
どうしてか かなしくなる

私という生きものは、。
例えば(いけないかしら躍るように)、
昨日買った手鏡が、
私を映すというの
(私の顔は、私だけ躍動する

この世に二つとない記憶の海で
星の歌う季節のもとを
そぞろ歩くひとりのつぶて
軌跡で螺子ねじの名残を伝える可動

チケットに日がさす
動物園で
四角い檻にいるのは誰
格子の空で
鳥が弧を描いている
大地は丸く遠く果てている波動

こちらである
という心境で
移ろう影を
水で浸してまどろみ微笑む




自由詩 顔の調べ Copyright こしごえ 2005-12-19 15:29:40
notebook Home 戻る