雪明り
砂木


暗いはずでした
起き上がっても

見えるわけがないと
思い込んでいました

ふすまを開けて
階段を 見下ろすと

一段 一段
角も はっきり
見えるのでした

外に 降り積もった雪が
闇に 白く 息づいて

灯のいらない 夜なのです
光の責めない 夜なのです

見えるわけがないと
思い込んでいました

闇に 息づいて 凍えながらこう
やさしく しろい よるなのです


自由詩 雪明り Copyright 砂木 2005-12-15 22:41:05
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