砂の記憶
アマル・シャタカ

現れては消えて 人も恋もメロディーも
悲しみの涙で描いた絵画も 彼方

記憶の奥を飾り立てて
切なさに

ため息の白く煙る中に見るものは
かつての希望か絶望か

あなたへの言葉は もはや持たず
それを愛とも恋とも友情とも

我が胸に 我が胸郭に 我が深淵に
その手で触れて あなたの手で

奏でる想いは 奏でる響きが 血を伝い
世界を震わせるだろう 
無数のあなたの共鳴
無量の心の共鳴

涙が枯れきって砂の中に崩れても
この命の灯が消えて 
あなたを照らさなくなったとしても

悲しみに打ち震えるこの大地が
かわりに想いを伝えるだろう

あなたへの言葉は すでになく
震える想いは
過去も 未来も そして現在さえも

この震える大地に
人知れず埋めて


自由詩 砂の記憶 Copyright アマル・シャタカ 2005-12-15 04:23:34
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